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2015年8月19日水曜日

本日の魔法の呪文 99


"ささいなことにたいへんな注意力を集中しなければならなくて神経がいらいらし、外で他の学生たちは笑い、歌い、踊っているのに、私は二、三章を読むのに何時間も使わなければならないかと思うと反抗したくなりますが、すぐに楽天的な性質をとりもどし、不満の気持ちを心から笑い飛ばしてしまいます。というのは、どの道真の知識を得ようと望むものは誰でも、一人で「困難の丘」を登らねばならず、頂上にいたる王道はないのですから、私は私なりにジグザグの道を進まねばなりません。
何度もすべり落ち、転び、立ち止まり、隠れている邪魔物に突きあたり、かんしゃくを起こし、また気が静まり、気をとりなおし、とぼとぼと歩きだし、少し雨へ進み、勇気を得、前より熱心に前より高く上り、ひろがってゆく水平線がみえるようになります。
あらゆる苦闘は一つひとつが勝利なのです。もう少し努力をすれば光り輝く雲にとどき、空の青い深み、私の望みの高天原に着くのです。"

ヘレン・ケラー自伝  川西進 訳 P131より抜粋

ヘレン・ケラーの内的世界観の豊かさは、
この自伝を読むだけでもひしひしと伝わってくる。

彼女がどうやって、自分なりに自分の世界を拡げ、充実させていったか、
という道のりは、アンスクーリングがたどるけもの道とそのまま重なるし、
自分の封鎖されていた感情を取り戻して日々を生きる、ということそのものかもしれない。

2015年7月26日日曜日

本日の魔法の呪文 78



"肉体の感覚を満喫している人々は私を哀れみますが、
それは私の生活の中に私が喜んで住んでいる黄金の部屋がある
ということを知らないからであります。
なぜならば、私の行く手は彼らには暗黒のように見えますが、
実はその反対に心の中に魔法の光を宿しているからであります。"

ヘレン・ケラー 岩橋武夫 訳 わたしの生涯 P453より抜粋

ヘレン・ケラーの世界観は、
赤毛のアンの世界観に近いなと思って読んでいた。

わたしがパリに旅したとき、
建造物や彫像などにあまり興味を示さない私に対して、
同行した友人に「アワポンは何も見てない」とどやされたことを今でも忘れないが、
ヘレン・ケラーやアンが感知している世界の豊かさを、逆に言えばその友人をはじめ、
多くの五感に閉じ込められている人々は知らないのだ。

そのことを、最近あらためて、
いろいろなかたちで確認することが続いている。
その領域を、一切「なかったこと」にして生きている人々と、
わたしは世界を分かち合うことはできない。