2015年8月19日水曜日

本日の魔法の呪文 99


"ささいなことにたいへんな注意力を集中しなければならなくて神経がいらいらし、外で他の学生たちは笑い、歌い、踊っているのに、私は二、三章を読むのに何時間も使わなければならないかと思うと反抗したくなりますが、すぐに楽天的な性質をとりもどし、不満の気持ちを心から笑い飛ばしてしまいます。というのは、どの道真の知識を得ようと望むものは誰でも、一人で「困難の丘」を登らねばならず、頂上にいたる王道はないのですから、私は私なりにジグザグの道を進まねばなりません。
何度もすべり落ち、転び、立ち止まり、隠れている邪魔物に突きあたり、かんしゃくを起こし、また気が静まり、気をとりなおし、とぼとぼと歩きだし、少し雨へ進み、勇気を得、前より熱心に前より高く上り、ひろがってゆく水平線がみえるようになります。
あらゆる苦闘は一つひとつが勝利なのです。もう少し努力をすれば光り輝く雲にとどき、空の青い深み、私の望みの高天原に着くのです。"

ヘレン・ケラー自伝  川西進 訳 P131より抜粋

ヘレン・ケラーの内的世界観の豊かさは、
この自伝を読むだけでもひしひしと伝わってくる。

彼女がどうやって、自分なりに自分の世界を拡げ、充実させていったか、
という道のりは、アンスクーリングがたどるけもの道とそのまま重なるし、
自分の封鎖されていた感情を取り戻して日々を生きる、ということそのものかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿