"「大すきなおまえを、なんとかして、しあわせにしてあげたいの」
「でも、ちがうんです」とウグイスはいいました。
「田んぼも、いけも、ヤナギの木も、かごのなかからみたのでは、
まるっきり、ちがってみえるんです」"
九月姫とウグイス サマセット・モーム やく 光吉夏弥 え 武井武雄 より
ウグイスはお姫様からネコから守ってあげる、と鳥かごに閉じ込められます。
けれどそのことで歌えなくなります。
黒砂糖をもらってもなおりません。
とうとう弱って死にかけて、やっとカゴの外に出してもらい、
野山を飛び回ってそこではじめて、
美しい歌声と生気を取り戻します。
美しいものや、生き生きしているものが、なぜそんな存在でいられるのか。
それを支えているものを切り離し、いいとこどりをしようとすることは、
生命にかかわること。
美しいものやファンタジー、生きたエネルギーは、
生きとし生けるものにとって死活問題。
それは一部のひとたちのおはなしではなくて、
わたしたちみんなにとってそうなんです。
宇宙は、おなかを満たす豊かさだけでなく、
こころを満たす豊かさもちゃんと用意してくれる。
そのことへの信頼を取り戻すこと。
宇宙は美しい世界が大好きです。
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