"時にこのような人がイニシエーションを授かったとしても、
彼らはすべてを経験した後、
何もつかめないまま、入ってきたのと同じ扉から出て行くでしょう。
この宝の家は魔法の家だからです。
家の中にはあらゆる宝があっても、泥棒はそれをみつけだせません。
泥棒は家を通り抜け、辺りをうろつきますが、
何も見ず、何も手にしないまま出ていってしまうのです。
真理は誠実な人のためにだけあるからです。"
音の神秘 ハズラト・イナーヤト・ハーン 土取利行訳 P244より抜粋
戦時中、上から爆弾が投下されても、
ガラス工場がある一帯にはどうやっても落ちなかった、
という話を聞いたことがあります。
ガラスが持つ波動の状態が、
ちょうど電磁石が反発し合うように、爆弾を近づけなかったのだと思います。
これの裏返しが、ブラックホールが一体何を吸い込み、何を吸い込めないのかという話。
そんなことを思ったときに、
道成寺で鐘の中に逃げ込んだことで、
かえって逃げられなくなり焼け死んだ安珍のように、
あるいは、
オートロックのように厳重警備がなされている建物の方が、
いったん中に泥棒が進入したときにやりたい放題だったりする、
あの感じにも似ています。
守るためにツールを使うことが、
逆に自分を閉じ込める檻になる愚かさについて
あらためていろいろ思います。
ちょっと不安がよぎったときに、気合いでふんばらず、
ツールに頼ってしまうと、このバリアの持つ結界が一瞬で解けてしまう。
魔法というのはこういうきわきわで成立しているなぁと思います。
自己保身の気持ちで生きることを捨てることこそが、
最大のバリアであるという。
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