2015年6月23日火曜日

本日の魔法の呪文 45


"自分でテラピストになるために、
彼女の才能を得たいと思ったことはなかった。
「兄弟」から学ぶためには、
彼の奇跡を総じて偽物と想定すべきだと気づいた。
それを本物とする原理から出発していたら、
じきに私は袋小路に迷い込み、
みずから甲斐もなく、
魔術師になろうとして躍起になっていただろう。
というのは、
私の考えでは、
皮膚を簡単に着替えることができないように、
自分を培ってきた理性的文化から脱け出して
「原始的な」
ふりをすることもまた、不可能だからだ。"

アレハンドロ・ホドロフスキー リアリティのダンス P376より抜粋


わたしの友人に、
どちらかというと生粋の「原始的な」感性だけで突っ走ってきた人がいるのだが、
わたしの場合は、まわりから強いられたことに加え、自ら望んで
既存の文化の最先端を体現したらいったいどういうことになるのか、
を自分なりにやりきって反転したタイプだ。

だから、原始的なふりをすることは、わたしもできない。

けれど、わたしの皮膚に刻まれている、この経緯があるからこその、
わたしなりのストーリーというものがあるのではないかとふと気づいた。

そのことのかけがえのなさ、というものにがつんと気づいたとき、
なんて生きていることはそれだけで素晴らしいのだろうと。

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